「インターナショナル」と「プレーヤーズ」に観たドラマ
USPGA
今回の「インターナショナル」でリッチ・ビームとスティーブ・ロウリーが繰り広げたデッドヒートはかなり見ごたえのあるドラマだったが、結果はリッチ・ビームの逃げ切り。
しかし今年の春、今回のロウリーのごとく猛チャージで最後にどんでん返しをやってのけた選手がいる。
「ザ・プレーヤーズ選手権」でスティーブン・エイムスの優勝を残り3ホールの快進撃で奪いとったクレイグ・パークスだ。
追う側、追われる側の心理を聞き直しながら2つのドラマを振り返る。
ビームの10打差で出遅れていたスティーブ・ロウリーの14番。
池の浅瀬に入れてしまったロウリーはなんと片足を池に突っ込んでのショット。
これがみごとにグリーンをとらえ、さらにピンから3メートルのこのバーディパットを沈めてしまう。
ここからロウリーの神懸りな攻勢が始まる。
15番では残り132ヤードをピン奥に落としそこからのバックスピンでなんとカップインしてイーグル!残り3ホールで3点差にまで詰め寄った!
■リッチ・ビーム
「残り5ホールで39点対29点で10点もリードしていたのに、信じられないことが起きていた。17番に向かう途中で大歓声を聞いたので、周りにどうなったのか聞いたら、ロウリーが14番で池からバーディとって15番でイーグルを取ったって聞いたんだ。それで僕のリードは3点くらいになっちゃったかな?と思っていたけど、その17番でイーグルを取れたし、ロウリーが16番でボギーになったって聞いて、これで9点差なら大丈夫だと思ったんだ。だから最終ホールは冒険せずに手堅くパーを取ろうと思っていたんだ。」
パークスの場合は残り3ホールで、すでにホールアウトして首位のスティーブン・エイムスに1打差。
そんな中、神業としか思えないグリーンエッジからのチップインイーグルをやってのける。
■クレイグ・パークス
「昔からチップショットには自信があったんだ。あのショットを打ったときはとても自信を持って入ると信じて打てた。」
この時のパークスのようなミラクルショットが「インターナショナル」の最終日にも起きた。
スティーブ・ロウリー17番、残り204ヤードの2打目。
6番アイアンで放ったショットはなんとグリーン上で2回だけはねてそのままカップインのアルバトロス!いきなり8点獲得!残り1ホールで1点差に再び詰め寄ったのだ。
■ビッチ・ビーム
「僕がすでに2打目を打った頃に物凄い歓声が聞こえてきて、きっと誰かがすごいことをやったんだろうとおもって、良く聞いたらロウリーがアルバトロスだっていうじゃないか。最初信じられなくて、たったの1打差にまで詰め寄られたなんて本当に驚いたよ。一日中必死に戦ってあれだけのリードを作ったのに、最後の最後にパー5でアルバトロスが出てたった1打差に詰め寄られるなんて思ってもいないだろう?でもそんなことがこのフォーマットだと起きてしまうんだ。」
ビームは44点を獲得しつつも、笑顔でホールアウトできない披露困憊の顔。
あとはただロウリーの最終ホールを見届けるだけとなった。
そのロウリーは185ヤードからのアプローチはピンハイのカップから2メートル半に着地しバーディチャンス。
しかしあらゆる方角からラインを読んだ後、完璧なタッチで打ったバーディパットはわずかにカップ左に外れた。
ロウリーは最後の最後でビームをとらえる事ができなかったのだ。
しかし「ザ・プレーヤーズ選手権」でのパークスの快進撃はここで止まらなかった。
16番でのチップインイーグルで1打差遅れを1打差リードにひっくり返したパークスは17番でも長いバーディパットを沈めてしまう。
■クレイグ・パークス
「とにかくあのパットは沈めたかった。あれが入ったとき最終18番を5打で安全にパーセーブさえできれば大丈夫だと確信できた。」
しかしその18番は決して楽なパーセーブにならなかった。
4打目をグリーン奥に外してしまったパークスはラフに近いグリーンエッジからのチップショット。
しかしさすがに得意とするチップショットだけあって、みごとパーセーブ。
このショットには先にホールアウトしてプレイオフを願っていたスティーブン・エイムスもただ呆然と立ちすくんでいた。
■クレイグ・パークス
「打った瞬間にこれも入ったと思った。
転がりを見ながら勝ったと確信したんだ。そして実際にカップにボールが吸い込まれていった瞬間、本当に嬉しかったよ。」
■リッチ・ビーム
「もし優勝できていなかったとしても、僕が負けたというより僕よりも相手が勝っていただけ。そりゃもしロウリーに追いつかれていたら物凄く悔しくて耐えられなかっただろうけど、でも僕のプレーそのものは最高だったから試合に負けたという気はしなかったと思う。でもやっぱり優勝できて本当に良かったよ。」