「シンデレラボーイ」リッチ・ビーム
プロゴルファー
今月だけでメジャーを含む2勝をあげ、180万ドル稼いだリッチ・ビーム。
8年前にプロ転向しつつも、24歳からの3年間ゴルフの道を諦めていた男にしてはかなり上出来。
4年前の秋にPGAの「Qスクール」に戻ってくるまでゴルフ界は彼を忘れていた。その「Qスクール」では経験の少なさにも関らず8位タイの好成績でPGAツアーのシード権獲得。そこから今日までにPGAツアー3勝をあげる大躍進。まさにゴルフ界のシンデレラボーイだ。
PGAツアーのトーナメントにもましてやBUY.COMツアーに参戦しないまま、無鉄砲にもテキサス州エル・パソCCのアシスタント・クラブプロという立場でPGAの「Qスクール」を98年に受け、みごと8位タイで突破。
その7ヶ月後、PGAツアー12参戦目となった99年の「ケンパー・オープン」で優勝。ゴルフ界を最も驚かせる優勝のひとつとして記憶に残っている。
そしてその後3年間は辛抱の時を過ごし、2週間前にスティーブ・ロウリーとの激闘に競り勝ち2勝目となる「インターナショナル」を手にした。翌週の「ビュイック」に参戦しなかったビームは「インターナショナル」での勢いを「全米プロ選手権」まで持続させた。ラウンド2の(66)でリッチ・ビームは週末に向けて首位タイという好位置をつかんだ。
■リッチ・ビーム
(ラウンド2終了後)
「2週間前の優勝は僕の自信を後押ししてくれている。もちろん諦めるような気持ちはないけど、僕がこのメジャーを優勝できるなんて思っていない。ベストを尽くすけど、もし最終日に優勝争いにいたりしたら緊張で上がり3ホールは水も飲めないくらいのパニックになっているだろうね。」
■ロバート・アレンビー
(ラウンド1&2ビームと同組)
「この2日間のビームのパッティングは彼のキャリア最高の状態だよ。それにあんなにパットを完璧に決めてくる選手は見たことがない。あの調子でパットを決めていれば優勝できるよ。」
そしてラウンド3の土曜日は暴風の吹き荒れる中、プレーを上手くまとめてパープレーで逃げ切ったビーム。ジャスティン・レナードに次いで単独2位というポジションを守った。
■リッチ・ビーム
(ラウンド3終了後)
「明日は精神安定剤を大量に飲まなきゃね。もちろんロッカールームでの飲むからみんなにはどれだけ飲んだかバレないようにするけど(笑)。彼らのような一流選手と渡り合えないほど自分がダメだとは思わないけど、メジャーに勝てるような選手には何か特別なものがあるはずさ。僕にその特別なものが備わっているかは分からないよ。」
そして最終日、ビームはその特別なものをしっかりと持っていることを自覚した。
バックナインでアグレッシブなゴルフがスーパーショットを生み、4日間を通じてトップのパット率を保持した冴え渡るパッティングで首位の座を不動のものにした。
■リッチ・ビーム
(優勝会見)
「ショットも自分の感情もなんとかコントロールできていたけど、どんどんとプレッシャーを感じて辛くなってきていた。でも16番の長いバーディパットが決まったときは気分は最高だったね。緊張する気持ちと身体の硬直をを解そうと腹筋に力を入れたんだ。すると不思議なことに肩や腕の緊張が解れてスムーズなスイングになったんだ。とにかく何も考えずリラックスするように心がけたんだ。それが利いたね。」
この優勝で、ビームは5年間のPGAツアーシード権獲得、他3つのメジャーへの参戦権、そして「全米プロ選手権」参戦の生涯資格を獲得した。
■リッチ・ビーム
「タイガーやミケルソンみたいにメジャーを勝ちに行く、というタイプのプレーヤーじゃないものでね。優勝できたなんて信じられないよ。3日目終わりの記者会見の時にもメジャー大会の上位陣としてインタビューを受けたことが信じられないくらい嬉しかったのに、こうやって最終日にチャンピオンとしてインタビューされるなんて本当に信じられないよ。」