ドラマを演出するセッティングの妙
USLPGAツアー
前週の米女子ツアーメジャー第1戦クラフト・ナビスコ選手権はグレース朴(韓)の優勝で幕を閉じたが、最終ホールで繰り広げられたドラマティックなV争いの陰には、米ツアーならではの巧妙に計算されたコースセッティングの演出があった。
18番はグリーン手前に池が待ち構えるパー5。通常は2打でグリーンをとらえられるのは飛距離のあるアニカか福嶋晃子ぐらいしか居ない。ところが最終日はティの位置を20ヤード前方に出すことによって、果敢に攻めれば誰もが2オンを狙えるセッティングに競技委員が変えたのだ。それによってトップを走るグレース朴を追いかけるアリー・ソン(韓)が2オンに成功。10メートル以上のイーグルパットを見事気合いで捩じ込み、カリー・ウェブ(豪)もあわやイーグルの好プレーを演じて、ギャラリーを大いに湧かせたのだった。
後続が迫ることによってグレース朴の緊張はつのり、最後1メートル強のバーディパットを沈めるまで優勝の行方がわからない、ハラハラドキドキの展開に。結局グレース朴が貫禄勝ちを収めたが、手に汗握るドラマを演出したLPGA(全米女子プロゴルフ協会)に対しては、「さすがトーナメントの盛り上げ方を知っている」と関係者の間では感心しきりだった。杓子定規な日本ツアーにもこの演出の妙を見習ってもらいたいものだ。