身内の事件をエネルギーにかえるJ.デイリー
USPGAツアー
ジョン・デイリー(米)が、自らを襲った不幸な出来事をバネにメジャー3勝目を狙っている。
大会直前までの賞金ランク10位以内で出場権を手にし、2年ぶりにオーガスタナショナルGCに戻ってきたデイリーを待っていたのは、ファミリーの恥。麻薬取引とマネーロンダリングの罪でミシシッピー州から起訴されていたシェリー夫人とその両親が有罪を認めたのだ。
大一番を前のショッキングなニュース。だが、波乱万丈の人生を経験しているデイリーは、ちょっとやそっとではくじけない。
常に心の支えとなっている大先輩で親友のファジー・ゼラー(米)との練習ラウンドを終えると「ここにいられてうれしいよ。天国のようだからね」とつぶやく。確かに、パッティング・グリーンに向かうデイリーの背中を叩き、声をかけるファンの声は暖かく、励ましているようだ。
「大丈夫。ゴルフに専念できているから楽しいよ」。気丈にもそう答えたデイリー。だが、気持ちが穏やかなままではいられないのは、静かすぎるその態度でも明らかだ。
けれどもデイリーは妙なジンクスを信じてもいる。大会前日の練習ラウンドを半分終えたときに、2番目の妻、ベティさんから離婚届けを突きつけられた93年が、マスターズ過去9回の出場で最高の3位タイ。「いつだってマスターズのときに何かが起こるもんだ」。そう口にしてコースを後にしたデイリーには、勝利の予感すら漂っていた。人生もゴルフ同様、忍耐力を増したのか。今季は好調なだけに、コースとの戦いぶりは見ものだ。