シニア・メジャー「全米シニア・オープン選手権」最終日
USPGAシニア
11年前にオープンしたばかりのトム・ファジオ設計コースで、始めてメジャー大会が開催され、その難易度の高さが始まる前から話題になっていたが、蓋を開けてみれば、連日大会レコードの嵐。
初日は、R.W.イークスがタイレコードの(64)、2日目にはウォルター・ホールが(65)、そして3日目にはドン・プーリーが記録更新、「全米シニア・オープン」最高スコアの(63)をマークした。
これら3名の選手はシニアメジャー優勝の経験はなく、一方でメジャー優勝争い常連のトム・カイト、トム・ワトソンは今回も優勝争いに食い込んでいた。
そのワトソンと最終組で回ったドン・プーリーは、プレッシャーもなんのその、出だしのホールでバーディ、リードを4打に広げた。
しかしワトソンがそう簡単に勝たせてくれるはずはない。
ワトソンは9番でバーディ、10番ではあわやイーグルというアプローチでバーディ、さらに13番ではティーショットミスから一転してスーパー・バンカーショットでバーディ。
この後14番、15番と3連続バーディを奪い、残り3ホールの時点でついに首位を捉えた。
しかし続く16番、ワトソンはパーセーブのパットをわずかに外し、ボギー。
ワトソンのチャージが力尽きてしまったのかと思われたが、17番でバーディを取り返し、再び首位タイ。
最終18番は、プーリーがグリーンサイドのバンカーに入れてしまうものの、最高のバンカーアウトを見せパーセーブ。
ワトソンもパーとなり、「全米シニア・オープン選手権」史上初の3ホール・プレイオフに突入した。
エキストラの3ホール終了時のスコアで競われるこの方式、プレイオフ2ホール目までは両者パーで譲らぬまま。
そして再び、18番。
プーリーはピンまで155ヤードを8番アイアンでバーディチャンスにつける。
一方のワトソンはピンから3メートル、下りながら左から右に傾斜のかかった難しいパーパットをねじ込んだ。
かなりのプレッシャーがかかったのか、プーリーは優勝チャンスのバーディパットを外してしまい、3ホール・プレイオフでは両者イーブンパーのまま決着がつかず、ついに試合はサドンデスへ突入。
この日、3回目の18番ホール、今度はプーリーが先ほどのワトソンの位置に少々カップを外した位置。
一方のワトソンはよりピンに近く、チャンス。
しかしプーリーが先にバーディを沈め、ワトソンにプレッシャー。
しかしこの状況を楽しんでいるかのように笑みを浮かべたワトソンもバーディを奪い、今度はプーリーからワトソンに賛美の拍手。
2人とも最高の試合を存分に楽しんでいた。
そして、サドンデス2ホール目。
この日4回目の18番。
プーリーはプレイオフ時と同じポジション、ピン横1メートル半につけバーディチャンス。
一方のワトソンはグリーンを外し、ラフからのチッピング。
見守るギャラリーの脳裏に82年「全米オープン」プブルビーチでのワトソンのチップイン・バーディが蘇ったが、悲しくもボールはピンの横を1メートル半ほど通り過ぎてしまった。
入れれば優勝のバーディパットを残したプーリー、あまりの緊張から一度スタンスを取り直しながらも落ち着いてカップイン。
「全米シニア・オープン選手権」史上初、初クオリファイで初優勝という快挙を成し遂げた。
青木功(76)18位タイ(+2)